諦めきれずに和白へ

先週の日曜日(4/19)の日記です。

まあ不漁なのはわかってるんですが、往生際悪く、どこかまだちゃんと採れるとこがあるんじゃないかと和白や雁ノ巣をウロウロしてみました。なんというかやっぱりこの時期は冷凍庫がアサリで一杯になってくれないと寂しいわけですよ。

しかも久しぶりに雨のなかで潮干狩りです。
少し前にカッパを新調したのでその分多少は快適にはなりましたが、気温も低いし風も出てきて気分的にかなりダウンです。釣りで磯に降りるときならむしろテンションが上がる状況なんですけどね?

とはいえ人は結構来てました。子供連れとかも。
そんな装備じゃ寒かろ〜

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塩浜の鉄塔周りは案の定壊滅状態で早々に撤退。んで雁ノ巣に向かおうとして途中、ポンプ場の近くに駐車場があるのに気づいてそこから降りてみたら、小さいけどアサリの密集したエリアを発見。しばらく熱中。久しぶりにちょっと楽しめました。

潮が上げてきたので雁ノ巣も一応チェックしておこうと移動して、探索するとまあ、ちょこちょこレギュラーサイズが残ってるエリアがあって数百グラム追加。

トータルでなんとか3キロちょっと確保できたでしょうか。ようやくジップロックの大がまるまる一つストックできました。

カイカキ製作過程(2015モデル/グリップ編)

2013年あたりからカイカキのデザインは基本的にCADで起こすようになってて、掘削部などは完成形を展開して正確な製作図を作るなど有効に使ってたのですが、グリップは木材を糸ノコで切ってからカッターで削るというローテクな製作過程ゆえ、せいぜい印刷して型紙として使う程度のものでした。

が、とにかく量産を目指す2015年モデルでは樹脂製のグリップにチャレンジすることになり、3Dデータから直接物体が出来上がることに。相当に文明的な飛躍であります。直接といってもまあそれなりに複雑な工程とノウハウが必要なわけですが、とあるルアー工房の協力を得てそれが可能になりました。

というわけでボクの方はせっせとCADで3Dモデリング。
建築でいつも使ってるVectorWorksですよ。

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一度、一体型で試作して完成までやってみたのですが、さらに少々修正する必要があったので再度作り直してこれが最終形の画像です。まあいろいろと各工程で制約条件もあったりして、扇型の頭とグリップ胴体を分割して作ることになりました。


ルアー工房での工程は画像もないし、あまり詳しくは紹介できませんが、簡単に言うと、3Dデータを少々加工して鋳型の鋳型(マスター)を出力、それにシリコンを流して鋳型を作り、それにウレタン樹脂を流して脱型したら出来上がり。コンクリートの型枠みたいに1回こっきりじゃなく、何十何百と作るためにこういう面倒臭い工程になります。

というわけで部品が出来てきました。

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ホントは色もつけたかったんですが、今回調整が間に合わず、樹脂そのもののアイボリーでいきます。次回からはできればば色付きで。


頭と胴体をくっつけるとこんな感じ。

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頭と胴体の接合は上手くいけば接着剤だけでいけるかな〜? とか思ってたのですが、いまいち不安なので結局エポキシ系の接着剤とビスとの併用にしました。アクリルや塩ビみたいに溶剤接着とか重合接着だとしっかり強度も耐久性も出るのでしょうが、そういう接着剤はなさそう(探せばあるのかな?)だし、瞬着やエポキシは時間が経つと劣化して剥離しやすくなるでしょうから。意外と力のかかる箇所だしね。


あとは掘削部をビスで取り付けるとカイカキの完成。

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カイカキ開発史

2009年のシーズン中に作ってみた記念すべき第1号がこれ。

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なんとなくのイメージだけで、具体的な使い勝手は全然考えきれてなかったですね。とりあえずホームセンターに行って手に入る材料で、掘削部はステンレスのFB(フラットバー)2×10をボルトクリッパーで切断、ドリルでビス用の穴あけ、そしてプライヤーで曲げ加工。グリップと支持部はメープルの角材をステンレスのジョイント金物で繋いだだけ。掘削部の幅は30cmありました。

掘削部自体はそう悪くない感じでしたが、あまりにも重くて握りにくくて疲れるので、2010年のシーズン前に手を加えたのがこれ。

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グリップを短くして手になじむ形に削って、ジョイント金物を2重にして強化。支持部も肉抜きして軽量化。これでそこそこ使えるものになったので、2012年まで使ってました。潮干狩り自体もかなりノウハウを蓄積して圧倒的に漁獲が増えた時期ですね。

3年も使ってさすがにまたいろいろと改良したい点が出てきたので、2013年に作ったのがこれ。

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とにかく大幅に軽量化するために部材を簡素化しようとして、掘削部のFBと木製グリップのみの構成。ただしFBだけだと根元の強度が足りないので、そこは2重にして補強。そして掘る時の効率と砂の抵抗による疲れ具合のバランスを考えて幅は25cmにしてみました。グリップはメープルほど硬くなくても大丈夫そうだったので、ちょっと加工のしやすいホワイトアッシュに変えました。写真のグリップは最初のタイプですが、途中でさらに短くて小指の後ろの引っ掛かりの大きな(今の形に近い)タイプに作り直したりもしました。

実はこのころから販売や特許取得を構想していて、弁理士事務所などに相談を始めたのもこのころかな。あと金属加工業者とかプラスチック成形業者とかを探し始めたのも。それからネットで潮干狩りのことを書くときも、これらの道具については露出を控えるようにしてました。

2014年にさらに改良版。

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計算してみるとFBを2重にして強化するよりホワイトアッシュの板で作る方が軽いことがわかって木製の支持部を採用。FBも短くて済むし、穴あけ加工も少なくて製作手間もずっと少なくて済む。と思って作ってたらグリップを削って成形する際に左手を切って神経縫合手術までする羽目に(顛末はこちら)。

このあたりで、実際には作ってないものも含めてだいたい形は考え尽くした感があったので、2014年後半からは販売に向けて具体的に動きだすことになります。

特許については結局、弁理士事務所には頼まずに中小企業振興センターの知財総合支援窓口に通って内容をまとめて、12月に発明協会で手続き。→ ブログ記事「特許出願しました。」

カイカキについて

潮干狩りでアサリやハマグリを掘る道具としては熊手や鋤簾(ジョレン)が一般的ですが、使っていていまいち効率悪いな〜とか、疲れるな〜とか、小さな子供に使わせるのは危ないな〜とか、いろいろと不満に思うことがあるわけです。

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そこで2009年頃にこのような道具を思いつきまして、最初は木製のもっと単純なものでしたが、毎シーズン徐々に改良を加えてきたものが今のような形になりました。思いつくといっても、原理的には粘土彫刻に使う「かきベラ」などと同じものなので、まあ完全にゼロからというわけではありません。


使い方としてはこんな感じです。

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■まず道具の形を見ての通りなのですが、干潟の砂を掘り起こすのではなく、鋤き取るというか薄く切るように引きます。深さは2、3cmぐらいのイメージで、これを2、3回。アサリやハマグリは砂の表面から5cmぐらいの間にいますから、普通2回引けば当たった感触があります。
■深く掘っても疲れるだけですから、浅く広く掘るのがたくさん収穫を得る秘訣です。ただし、場所や時期によって若干違うので、掘りながらその日の貝のいる深さを確認してください。
■生きた貝は水管を上に足を下にして縦になってますから、水管側の尖った部分を引っ掻く感触は、慣れてくると他の貝殻(大抵は横になっている)などと区別できるようになります。さらには貝の大きさや種類もわかるようになります。ちなみにアサリだと「ガリッ」、ハマグリだと「ゴツッ」という感じ。

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■感触で貝を見つけたら、余計な砂を除けてカイカキの角で貝を掘り起こします。

熊手と比べた場合の特徴としてはこんな感じ。

【メリット】
■効率よく広い範囲を掘れる。(同じ時間、疲れ具合で2〜3倍の面積を掘れる。)
■貝の見落としが少ない。
■尖ってないので小さな子供に使わせても安心。

【デメリット】
■水中を掘るのは苦手。
■岩混じりの場所を掘るのは苦手。
■管理潮干狩り場では使用禁止になる可能性がある。


というような潮干狩りの道具「カイカキ」を、今回あくまで手作りの少量生産ですが、ある程度まとまった数を作って一般にも販売できるようになりました。良かったら使ってみてください。

《カイカキSHOP》
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《カイカキ開発史》
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《カイカキ製作過程(2015モデル/掘削部編)》
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《カイカキ製作過程(2015モデル/グリップ編)》
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《ハマグリ専用モデル》
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《特許出願中》
特願2014-253961

カイカキ製作過程(2015モデル/掘削部編)

2015年モデルはいろいろと検討した結果、
1.5mm厚のステンレス板で作ることになりました。
ホントはもっと固い素材が良いのはわかってるんですが、
材料の入手しやすさと加工技術と、なにより値段が合わない。

それと試作の段階ではほとんど全部の加工をどこかの金物業者に
やってもらおうと思って、業者探したり打ち合わせをしたりしてたのですが、
どうもボクの要求がいちいち特殊らしく、汎用的な加工機械では対応できず、
手作業が多くなって、結果としてこれまたコストに反映してしまう。

まあ5年ぐらいちまちまと自分で作ってきたわけで、
そりゃもうよくわかってますけども。

けどプロならもっと上手い方法でサクサクと作れるんじゃないかと
なんとなく思ってたんですよ。

んで最終的には業者には指定寸法に切ってもらうだけで、
あとは全部自分でやることになってしまいました。
その後も指定の厚みの材料が手に入らなかったりして、
業者を探しなおし、やっと手元に届きました。

100本頼んだのですがなぜか101本入ってましたけど。

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それにしても反りと捻じれの酷いこと。
いやわかってましたよ。
シャーリングという機械で切ると幅の細いものはどうしてもこうなります。
バリも思ってたよりしっかり出てますね。
レーザーで切ればこうはならないのですが、それも値段がねー。


事前にもらってたサンプルと合わせると102本あるので、
まずは試しに32本で作業に入ります。
うち8本は子供用の幅の狭いタイプにすることにして、短く自分でカット。
それからプライヤー2本とバイス使って真っ直ぐに矯正し、
ヤスリでバリを削ってさらに角を若干の面取り。

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最初1本処理するのに1時間近くかかったので、
途中で矯正のための治具と研磨のための固定具を作る。
で、固定具は欲をかいて8本まとめて削れるようなのを作ってみたのだが、
それだとやっぱり1本1本誤差があって、一番細いものに揃うまで
他のも削らないといけなくて果てしなく時間がかかって失敗。
それでやっぱり1本ずつ固定する形のを作り直し。
結局1本処理するのに30分かかる。
(やっぱレーザーで切ってもらうべきかなあ?)

それからボール盤にセットした#180のサンダーでヘアライン加工。
これはまあやってもやらなくてもいいのだが、
出来上がったときに傷とかが目立たないようにね。

そして曲げ加工と穴あけの位置を罫書き。
これは型板を作ってたので10分ぐらいで終わり。

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次は穴あけ。
ボール盤を導入したので、以前充電式のドリルドライバーで
やってた頃にに比べると随分楽になりました。

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ステンレスの穴あけは実はちょっとコツが必要で、
業者が大変だと言いたがるのも確かによくわかる。
材料に粘り気というか刃にまとわりつく性質(なんていうの?
靭性とも違うよね)があるので、ドリルを滑らせてしまうと
すぐ焼き付いたり刃が鈍ったりするのだが、
まあ5年間の試行錯誤で感覚的に掴めてるのでもうお手の物。

それと最初リール用のオイルを使ってて、だいたい5本ぐらい加工すると
刃が鈍ってたのが、後半ちゃんとしたステンレス用の切削油を買ってきて
使うようにすると、1本のドリルで15本開けきってしまった。
軽く考えてたけどやっぱ違うんやなあ。
あ、正しい油の差し方もわかったし。

というわけで穴あけ完了。

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最後に曲げ加工。
工場とかだとプレス機に径に応じた金型をセットして、
何本かまとめて曲げるんだろうなあと思うのだが、そういうのは無理なので、
バイスに挟んでプライヤーで1箇所1箇所手曲げです。

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材料が柔らかいので曲げる作業自体は大したことないのだが、
この方法だとどうしても若干の捻じれが生じてしまうので、
それをまたいちいち確認して矯正するのが面倒なのよね〜。

この作業もなんとかして簡単にできる道具を作らなくては。